2018.10.19

RENAULT PRESSE #80 Culumn:コンセプチュアルなパリのドライブにフレンチポップの歴史的名盤を


  • Renault Presse #080, OCTOBER 2018
    Words=Shota Kato


  • コンセプチュアルなパリのドライブにフレンチポップの歴史的名盤を

  • ゲンスブールとバーキン、フランスのファッションアイコンによる
  • 共作アルバムは、パリのドライブをムーディーに彩るサウンドトラック。
  • 「New Arrival」でも紹介したとおり、フランスのオーディオメーカーFOCALのスピーカーを搭載した限定車「トゥインゴ テンポ」。そのBGMにはフランスを代表するセルジュ・ゲンスブールの作品をおすすめしたい。ゲンスブールといえば、歌手・作詞家・作曲家としてフレンチポップの基礎を築いてきたほか、映画監督・俳優としてもフランス映画の発展に貢献してきた人物だ。まさに多才という言葉があてはまる文化人だった。

     1991年に惜しくも亡くなってしまったが、ゲンスブールはファッションアイコンとしても大きな影響力を放っていた。無造作にかき上げられた髪、無精髭にくわえ煙草、フロントボタンを大胆に外したシャツスタイル。その自然体ともいえる装いは、彼と事実婚の関係にあったジェーン・バーキンに受けた影響だったという。

     そんなゲンスブールとバーキンが共演し、フレンチポップの歴史を語るうえで絶対に欠かせないとされる名盤が『Jane Birkin Serge Gainsbourg』だ。この1968年にリリースされた不朽の名作には、二人の代表曲である「Je t'aime... moi non plus(ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ)」が収録されている。同曲はもともとゲンスブールがかつて不倫関係だったブリジット・バルドーのために書いたものだった。ブリジットが「あなたの一番美しいラブソングを私に書いて」とリクエストした曲は官能的な表現が際立ち、彼女の夫がそれを聴くことを恐れてお蔵入りに。ヴォーカルにバーキンを迎えることで晴れてリリースされたが、過激な性描写で賛否両論を巻き起こしながらも世界的なヒット作になったことでも知られている。ちなみにイギリスでは、英語以外で歌われた曲としては初めてシングル・チャートで1位を獲得したという逸話がある。

     『Jane Birkin Serge Gainsbourg』はゲンスブールの代表作としても評価されている。フレンチポップの名盤であることと、ゲンスブールとバーキンがファッションアイコンであることを踏まえて、このアルバムとともにトゥインゴ テンポでパリ市内のドライブに繰り出すならば、スタート地点はやはりパリの流行発信地にあたるマレ地区だろう。

     アルバムの幕開けを飾る「Je t'aime... moi non plus」は感度の高い恋人たちが集うマレにふさわしい。セレクトショップでショッピングをパートナーと楽しんだら、マゼンタ通りを北上してモンマルトルへ。パリ市街を一望できるこの場所に辿り着く途中にはルピック通りの坂を駆け上がっていく。そう、1898年にルイ・ルノーが最初に製作した乗用車「ヴォワチュレット」で登りきったことで知られる、ルノー生誕の地だ。ちなみに、モンマルトルにはシャンソンや往年のフレンチポップが歌われるライブハウスやショー劇場が点在している。ふらっと立ち寄ってみると、ゲンスブールの楽曲がカバーされているなんてことがあるかもしれない。

     「Je t'aime... moi non plus」が強烈な印象を与えることは言うまでもないが、クラシックの旋律を元にした「Jane B」や大ヒット曲のリメイク「Les sucettes」などは、車窓から見えるパリの景色をムーディーに彩る。ゲンスブールの多彩なクリエイティビティを感じながら、コンセプチュアルなパリドライブを楽しんでほしい。

※掲載情報は2018年10月時点のものです。

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