2019.06.17

趣味と暮らしをアシストするフランス生まれのカングー。 /上田瑠偉 TRAIL RUNNER

  • フランス生まれのカーブランドと聞いて真っ先に思い浮かぶのが〈ルノー(RENAULT)〉です。このブランドのアンバサダーを、ひとりの日本人トレイルランナーが務めているのをご存知でしょうか? それが「コロンビアスポーツウェアジャパン」に所属する上田瑠偉選手です。フランスといえば、世界最高峰のトレイルランニング・レース「ウルトラトレイル・デュ・モンブラン(UTMB)」が開催されるほどのトレイルランニング先進国。上田さんも「UTMB」のレースにおいて好成績を獲得するなど、今後の活躍が期待される若きランナーであり、彼と〈ルノー〉の出会いはある意味では必然とも言えます。今回の特集ではそんな上田さんのとある1日に密着します。〈ルノー〉の「カングー(KANGOO)」に乗車し、練習場として普段から足を運んでいるという高尾にある陣馬山を目指しました。


  • Photo_Fumihiko Ikemoto

  • Text_Yuichiro Tsuji

  • Edit_Yosuke Ishii(HOUYHNHNM)







  • 上田瑠偉 / トレイルランナー


  • コロンビアスポーツウェアジャパン所属。駅伝の名門、佐久長聖高校出身。高校卒業後、早稲田大学に進学するも箱根駅伝は目指さず、走ることを楽しみたいという想いで陸上競技同好会に所属。東京・柴又100Kで5位入賞を果たし、現在のスポンサーであるコロンビアスポーツウェアにスカウトされトレイルランニングを始める。 デビュー戦となったレースでは大会新記録で優勝。続く2戦目は国内で最も権威ある大会、「日本山岳耐久レース」で6位入賞。その後数々の大会で優勝し、記録を更新している。 2016年はアメリカで開催された100㎞レースを大会新記録で優勝。スカイランニングと言われるより競技性が高く、標高の高い山で行われるジャンルのU-23世界選手権で優勝など、海外でも結果を残している。

    上田瑠偉 公式プロフィール/戦績はこちら >






  • 山の上で行われる想像を絶するランニングレース。



  • 最近「トレイルランニング」という言葉を耳にする機会が増えたように思います。険しい山道を足場に気をつけながら、頭をフル回転させて走るトレイルランニング。大会によって走行距離はまちまちですが、100km以上もの長さのコースを数十時間走ってようやくゴールというレースもあるほど、想像を絶する戦いが繰り広げられているのです。





  • 競技人口の中で最も多いとされるのが30代から40代のひとたち。マラソンを経て、この競技に開花するという人も少なくはないのだとか。そんな中、トレイルランニングの本場であるヨーロッパを舞台に活躍を目指す20代の若き新星がいます。




  • それがこの写真にうつる上田瑠偉選手です。国内で開催される数々のビッグレースで優勝を勝ち取り、世界最高峰の大会「ウルトラトレイル・デュ・モンブラン(UTMB)」シリーズのCCCというレースでは2016年に準優勝を果たすなど、世界的な活躍をみせる上田さん。彼はいま、さらなる高みを目指し、トレーニングに励んでいるのです。



  • クルマのおかげで気持ちに余裕が生まれた。








  • 5月のとある日、自宅の近くにある駐車場で「カングー」に荷物を積み込む上田さん。〈ルノー〉が生まれたフランスは、前述の「UTMB」が開催されるほどのトレイルランニング先進国でもあります。昨年の4月から上田さんはこのカーブランドのアンバサダーを務め、以来、SUVの「カジャー」と抜群の積載力を誇る「カングー」を乗り継いできました。

  • 「プロのトレイルランナーの中でも、カーブランドからサポートを受けている選手はあまりいないのですごく光栄なことです」。





  • この日は練習のため〈ルノー〉の「カングー」に乗って高尾山を目指す予定。自転車や着替えなどの練習用のツール、それに休憩用のマットや寝袋などを積み込み出発します。

    「むかしは大会に出るにしても、電車での移動でした。時刻表に合わせて行動しなければならなかったし、大きな荷物を持ち運びながらだったので、クルマに乗るようになってからは自由度が格段に増したし、気持ちにも余裕が生まれました。合宿や遠征でも、持ち運べる荷物が増えたぶん、すごく有意義に練習ができています」












  • 主に練習場への移動の手段として「カングー」に乗っているという上田さん。目的地を目指す道中でこんな話をしていました。「とにかく乗り心地がいいんですよ『カングー』は。圧迫感がないし、乗っててすごく快適です。フロントが広くて視野が確保されているので、レースの後で長距離運転しても疲れにくいですね」。









  • 「カングー」は無事に本日の目的地である陣馬山の和田峠に到着。着いて早々、荷物を降ろしながら練習の準備をはじめます。

  • 「あとはやっぱりこの積載力も個人的に魅力です。練習用に自転車を積んだりするし、休憩のために積載スペースでちょっと横になることもあるので。それに扉が左右に開くので、荷物の出し入れがラクなところも気に入っています」


  • 自分の限界を何度も乗り越えたほうが達成感を感じる。




  • 準備を終えると、山の中腹にある和田峠から山頂を目指します。道が細く、急勾配の階段や坂道でも軽快にステップを踏みながら走る姿は、まるで山と戯れているような感覚を我々に想起させます。







  • 「山道を走るからといって、あまり恐怖心はないですね。ジェットコースターに乗って楽しんでいるような感じというか、スリルを味わっている感覚もあります。足元を見て走るんじゃなくて、数メートル先を見ながら木の根っこや岩がどこにあるのか情報をインプットしながら走っているんです。陸上やロードを走るときみたいに『1,2,1,2』という単純なステップではなくて、路面に合わせて歩幅などを調整しながら色んなリズムで走れるのがトレランのおもしろいところでもあるんです」

  • 「それと、タイムを気にしなくてもいいのが魅力でもあります。マラソンは基本的に走り続けなければいけないけど、トレランは自分の好きなタイミングで走ったり歩いたりできる自由さがある。山の天候やコンディション次第で、おなじ20キロのコースでも記録が変わってきます。だからまったくタイムが参考にならないし、そういったことに固執することなく自分の全力を出したり、純粋に走ることを楽しむことができるんです」




  • 幼い頃から体を動かすことが好きだったという上田さん。小学1年生のときに開催された持久走では学年で2番になり、その後も小中学生の頃に市内大会や県大会で好成績を納め、むかしから持久力には自信があったのだとか。

  • 「中学生のときはサッカーと陸上を並行してやっていたんですが、高校生になって陸上に専念するようになりました。佐久長聖という陸上の名門校からスカウトがあったのと、父親からも『日本一を目指せるような環境に身を置いたほうがいい』というアドバイスをもらって、自分でも意気込んで高校生活を陸上に捧げていたんです」





  • でも、そんな自負心を抱きながら過ごした高校生活は、それまでの華やかな道のりとは対照的に自分の思うような走りができなかったと続けて語ります。

  • 「ずっと怪我が続いていたし、中学時代の記録も更新できずに高校生活が終わってしまいました。3年という限られた年月のなかで、そこに向けてレギュラー争いなどをしていたので、正直すごく焦りながら走っていたなぁって。ぼくらが入学した前の年に、日本一になった高校だったんですよ。だから、そういったプレッシャーも勝手に感じていました。怪我が治ってもすぐに無理してトレーニングをしたりして、いま振り返るとちゃんと自分の体と向き合うことができてなかったと思います」

  • そうして高校生活を過ごしたことを反省して、大学では自由に走ることを楽しもうと決意。陸上部ではなくサークルに入り、なによりも楽しむことを優先しました。トレイルランニングと出会ったのも大学2年生のときのこと。

  • 「10代最後の思い出づくりに友達と一緒に100キロマラソンに出て入賞したんです。そこでいま所属しているチームにスカウトしてもらって、トレランのレースに出るチャンスをもらいました。『BORN TO RUN』というトレイルランナーにとってのバイブル的な本を高校生のときに読んでいて、それまではトレランなんて知らなかったけど、いつかは走ってみたいなぁって漠然と思っていたんです」





  • はじめて出場したレースでは、大会新記録を更新して優勝。その後、上田瑠偉という名前がトレイルランニングの世界に広まることになるまで、そこまで時間はかかりませんでした。最も決定的だったのは、国内最高峰のレースである「日本山岳耐久レース」。それまでの大会記録は7時間19分13秒。2014年、トレイルランニングをはじめてから1年で出場した彼は、7時間01分13秒でゴール。驚異的なスピードで大会レコードを大幅に更新したのです。

  • 「あのとき、レース中はひとつもきついところがなくて、なんだかゾーンに入っているような状態でした(笑)。その前年に出場したときは6位。5位のランナーとは1秒差のゴールだったので、すごい悔しい思いをしたんです。『次こそは』と思いながら必死に準備をして、絶対に取りたいレースだったので優勝できて本当によかったですね」







  • 当時を振り返りながら「会心のレースでした」と答えつつ、上田さんにとって印象的だったレースは別にあるのだとか。それが2016年に参加した「UTMB」のCCCというレース。全長101.1キロで、2000メートル級の山を何度も登り降りするハードなレースでにおいて、上田さんは準優勝を獲得しています。

  • 「その前年も出場して、30キロの地点まではトップ集団にいたんですけど、脱水してズルズルと順位を落としてしまって…。その経験を生かして2016年はうまく対策をしたんです。足が痛くなったり、体力の限界を感じたり、レース中に何度もきつい時間帯があったんですがその度に復活して、最後の山で元気を取り戻してなんとか追い上げることができました。自分の限界を何度も乗り越えてゴールするほうがやっぱり達成感を感じますね」



  • 人生を豊かにしたいからトレランをしている。


  • もちろん、栄光の陰には上田さんのたゆみない努力があります。とはいえそれを継続するための原動力は、やはり“楽しい”という感情のほかにありません。






  • 「あまり自分に厳しすぎると、かえってそれがストレスになってしまうので、なるべくそうならないように心がけています。食べたいときは食べるし、飲みたいときは飲む。かといってやりすぎることもないんですけどね(笑)。やっぱり走ることが楽しいし、それがいちばんのモチベーションになっているので、自分にとっていちばん大事なものを優先させて生きています」

  • 高校生の頃からそうした生活を続けてきた上田さんにとって、生活を犠牲にすることに対してストレスを感じることはないのだそう。

  • 「ぼくがこの競技をやっている理由のひとつは、自分の人生を豊かにするためなんです。トレランを通じて日本各地や世界各国に行かせてもらって、そこでしか見えない景色を見たり、現地の友達ができたり、おいしい料理やお酒を楽しんだりするのが楽しい。もちろん、世界一になるにはストイックに競技だけを考えることも必要なのかもしれません。でも、せっかくそういう場所へ来たのなら、ぼくはその土地について知りたいし、それが人生を豊かにすることに繋がると思うんです」





  • 1秒を争うような熱いバトルも楽しみたい。


  • この日の練習を終え、アイシングのために裸足で川に入る上田さん。最後に今後について教えてらもいました。




    • 「これまでいろんなレースに出場して、次は長い距離を走らないと極限の達成感というのは味わえないのかもしれないですが、さっき話したように、いまはいろんな景色を楽しみたいという気持ちが優っています。それにコンペティティブな部分も楽しみたいんです。長い距離だと、他のランナーとの戦いというよりも自分との戦いになる。陸上をやっていた身としては、1秒を争うような熱いバトルも楽しいんです。だから当分はそれを続けるつもりです」

    • 現在は日本を拠点に活動を行う上田さんですが、来年からフランスへの移住も考えているそうです。


    • 「ルノーが生まれた国であるフランスです(笑)。ゆくゆくはモンブランを一周回るUTMBのメインレースにも出場して、結果を残したいと思ってます」




  • 「あと、いままでは30~40代の人が競技者のなかでも多かったんです。でも、最近はぼくと同年代やさらに若い人たちも増えてきた実感があります。ぼくの活躍をきっかけに、実業団を引退したランナーがトレイルランニングの世界に参入してくれたら嬉しいですよね。もっと幅広い人がトレイルランニングを楽しめるようになれば日本の競技レベルも上がると思うんです。自分自身も陸上競技からトレイルの世界に入ったので、これからもっと自分を磨いて、活躍しながらシーンを盛り上げるために貢献したいですね」




Renault KANGOO / ルノー カングー

 

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